アベノミクス=円安の好影響なのか、最近の日本製造業は、少し勢いを 取り戻して来た感があります。 高度経済成長期以来、日本の製造業を支えてきた合言葉と言えば、ご存じの 「良いモノを安く!」 でありましたが、最近の私はこの合言葉に懐疑的であります。 と言うより、これが日本の製造業をダメにしていくのではないか、 とさえ思うようになりました。 昔々あるところにはあった米国製の自動車や欧州製の自動車などを見れば、 技術的にもモノの価値としても全く及ばなかったわけで、 彼らに追いつくことなど夢のまた夢であったその頃の目標としては、 「そこそこの機能を、少しでも安く作る」は良く出来た合言葉、 安かろう悪かろうが代名詞であった日本製の工業製品は、その合言葉で 成長したのか、「面白味はないが、故障しない良く出来た部品」的な 存在になっていきました。 がしかし、あくまで安いのが取り柄でありましたので、 円高→コストダウン→その分もっと円高→もっとコストダウン(延々続く) というコストダウン・スパイラル(私が名付けて)にはまり、 いつまでも付加価値の高い商品は作れず、やることは品質管理と 限界までコストダウンされた安くて壊れない部品を作り続ける運命に。 となると当然ながら、コスト至上主義で技術者の賃金は何も生み出さない 金融関係(失礼)などと比べて安く、残業もなくならないので幸せ感は薄く、 そしてついには高いモノを売ることに罪悪感すら抱くようになってしまった 正直者日本人(んなこたぁないか) まあどこの国にもコストダウン手法はあるものの、 ドイツは、ガッシリしてビクともしない品質感を、 イタリアは、誰も真似の出来ないカッコよさを、 イギリスは、ロイヤルワラント(英国王室御用達)の上品さ、 アメリカは、iPhoneで独創性を、 機能は同じようでも、目玉飛び出る高さで売る。 彼らの思いは一つ、少しでも「高く売る」ためであります。 ・・ 私に言わせれば、iPhoneはソニーが生み出すべきだったし、 ダイソンの掃除機は東芝が、テスラの電気自動車はホンダが 生み出して高く売るべきだったのではありますまいか。 本当に良いモノは安くない。 安いものはそんなに良くはない。考えればわかるはずが、 どっかからか考えてこなかったということみたい(苦笑)
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