京都議定書?

京都議定書その2です。

前回、多くの問題があると言うお話をしましたが、そうなんです。
今日はその辺を少し突っ込んだお話。

2000年度の世界の国別二酸化炭素排出量ランキングです。

  1位 アメリカ 24%・・・批准せず
  2位 中国    13%・・・途上国扱いで削減義務なし
  3位 ロシア   6%
  4位 日本    5%
  5位 インド   4%・・・途上国扱いで削減義務なし
  6位 ドイツ   3%
  7位Tイギリス     2%
     イタリア  2%
     カナダ   2%
     フランス  2%

う〜ん。
現在の京都議定書でカバーされているのは全体の30%に過ぎません。

なんと言っても、排出量世界1位のアメリカ、世界2位の中国が参加しないのは
問題です。両国で世界の37%! この議定書で日本やEC諸国ががんばっても
その削減分を、中国の増加分が軽く上回ってしまうと言うのもえらいことです。

アメリカは、ブッシュ大統領が非難されていますが、よく考えるとひょっとして
彼は正直なのかもしれません。

だって、ベースになった1990年はアメリカは不景気の真っ只中で、1991年の
第一次湾岸戦争くらいからアメリカ経済はバブルのような成長を見せていて、
アメリカに課せられた目標をクリアするためには、実に現状を30%も(!)削減しなくて
はいけないわけですから、「そりゃあ無理」ってブッシュ大統領の言うのは本当かも
しれませんわね=そういう意味で正直。

だからと言って自分だけ青天井の排出が許されるはずもなく、いつまでも
バカでかいクルマに乗ってないで、少しは太陽電池でもつけたらどう?ってこと
でしょうか。どっかの誰かも、どうせならアメリカのメディアの株でも買い占めて
世論を盛り上げてくれりゃあ、今頃日本中が応援したのに・・

他を見ても世の中自分の利益(国益)をよ〜く見てるなぁ・・とつくづく思いますよ。

ロシアは、ギリギリに批准してそれがこの京都議定書の発効につながったわけ
で一見評判いいよ〜って感じなんですが、実はロシアは90年以降ソ連の崩壊で
どこもかしこも経済活動はボロボロになり、なんと現状では90年比で、30〜40%
も排出量が減っているらしいんですよ。

と、言うことは排出権取引を考えると、これはもう相当な”商材”を手にした事に
なるわけです。その辺知ってるのと知らないのではえらい違い。

ドイツも実は好条件。
90年と言うと東ドイツ統合の年で、旧式の東ドイツ設備からの排出量が分母に
入っているため実は「90年当時に比べれば削減は結構ラク」だったり。

あ〜、大人の世界ってイヤよね、って感じ。

世界の国は、やはり自分のところの国益を第一に考えて外交交渉してるわけです。
どっかの国の外務省は大丈夫なんでしょうか・・まさか学生時代に勉強ばっかり
しててケンカの仕方も知らないなんていう事じゃないでしょうね、お願いしますよ。


ああ段々心配になってきましたけど、ここらで我が日本はそんな自国の国益しか
考えないセコイ国じゃないんだ!と、人類の未来に対して果たすべき責任は断固
果たすんだ!と言う強い意志を見せたいものです。

その期待を持って以下次号につづく・・・


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