モノの値段2
モノの値段2です。
前回、モノの値段の決まり方は、コスト由来か、売値先行のどちらかで、
特殊な決まり方として「指値」を言ったが、
今の日本においては、この指値がさらに変形して、
「安い売値を達成するためにコストを圧縮する」が、実は最もよく見られる
パターンだったりする。
つまり、従来の常識的なコストからは到底追いつかない、そんな売値なら
買います、という買い手側のキツイ要求があり、それを達成出来れば
売れると言われるので、必死にコストを下げる工夫をする、というパターン。
ああ世の中それそれ、とお思いの方も多いと思うが、実はこれが一番多い。
そういわれれば具体的な目標が定まるので、日本人的にはここから必死に
色々考えられる。考えて考えて従来考えられなかった値段でも利益が出る、と
いう成果が生まれる。
努力が商売(売上げ)に直結するので、実に取り組みやすい。
今日はここまで下がりました、明日にはここまで、1か月後にはここまで
下がるので目標は達成できますというスタイルなので、誰にもわかりやすく、
「みんなの努力」という合言葉が国民性をくすぐる。
ひょっとして、今の日本は七割方これなんじゃないかと思う。
まあ売り手市場、買い手市場の簡単な例だと言われるのかもしれんが、
ここでよく考えてもらいたい。
必死に考えて考えて、誰も思いつかないようなアイデアを出して、
結果「安く売る」んですよ!?何か間違っているような(笑)
これで一旦商売になったとしても、実は来年にはもっと安く、と目標が
毎年毎年下がっていく・・
・・・
日本の生産性が低いと言われる理由はこんなところにもある。
必死に働いて、安くするわけだから。
こんなことを考えると、つくづく欧州人はエライと思う。
残業しなくても、ブランド商品を次から次へと生み出し、
どうみても原価300万円ほどの自動車を、ため息が出るほどカッコいい
デザインで3000万円で売ってしまう、
そんなイタリア人に憧れることしきりである(笑)