薄膜太陽電池

今日のお題は、一瞬、薄皮とか、薄情とかに見えますけど(見えねえ、って)
薄膜( はくまく )です。


現在の太陽電池は「シリコン結晶系」がメインですが、シリコン材料の供給量で
太陽電池メーカーはひどく苦労しているせいか、世の中は急速に「薄膜系」と
言われる新型太陽電池にシフトしようとしています。


「シリコン結晶系」は、半導体に使われるような直径13cmほどのシリコン結晶を
厚さ200~300ミクロン(0.2~0.3mm)の厚さでスライスして、
(ハムを包丁で薄く切っていくイメージ)
そこに電極を加工してガラスに貼り付けて作っております。
言ってみればとても手作業的で、わかりやすい作り方をしています。


しかしこういう作り方をしている限りは、シリコンの厚さは200ミクロンは必要で
これ以下にはなかなか出来ないし、作り方にも限界があってなかなかコストを下げ
られない。


そこで薄膜。薄膜というくらいだから薄い膜。
液晶パネルの親戚みたいな生産方法で、シリコンを蒸気にしてガラスに着けていく。
これを読んで字の如く「蒸着」というが、最近はこれにまた微結晶シリコン層を
加えたりして効率を上昇させている。

これでいくと、シリコンの厚みは2ミクロンになる。
シリコン結晶系の1/100。
これなら同量のシリコン材料で、100倍の太陽電池が出来るということ。


いや素晴らしい。

しかし、そう簡単には問屋は卸してくれない。
結晶系に比べて、発電効率がちと低い。 
薄いから低いってわけじゃないんだろうけど、従来の結晶系に比べるとまだ半分
とは言わないけど、せいぜい6、7割くらいかなぁ。

しかし日本人のことだから、きっと効率は年々上がっていくでしょう。
次代の主役は、薄情じゃなかった、薄膜になっていくはずです、覚えておいてください。

 

           *  薄膜は、茶色のような、紫がかった黒みたいな色です。
                                
写真はシャープNA-851WU

 

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