風車と燃料電池

台風が過ぎるたびに、かける布団が一枚ずつ増えていき、
プロ野球選手会は70年の歴史の中で初めてストライキを口にし、
タイガー・ウッズが5年間守り続けた世界ランキング1位の座から陥落した日、
世の中には、未来永劫変わらないものはないことを実感させられる初秋の1日で
あります。

さて、太陽光日記も同じことばっかり言ってないで、そろそろ新ネタを展開しないと
いけませんね。
今日は、最近たまに見る新エネルギー関係の簡単な講義をさせていただきます。

風力発電  

ご存知”風車”であります。高さは40m前後で出力は500KW程度が標準でしょう
か。
お値段は25〜35万円/KW程度なので500KWなら1.5億円くらいですが、
維持費が年間200万円ほどかかります。24時間営業なので昼間だけの太陽光
発電より有利なように感じますけども、いろいろあります・・・

風力発電の出力は風速の3乗に比例するので、風速が2倍になれば8倍の電力
が得られます!と言えばオオッーと思いますが、逆に言われないのが風速が2/3
になるとどうなるか?

2/3の3乗=8/27=2割9分6厘でイチローの圧勝です。

導入当初に平均風速を計算する時は、これくらいは吹くだろう、と軽い気持ちで
計算するのでしょうが、冬は平均して7〜8m/秒の強風が吹き続けるバルト海沿岸
とは異なり、日本では思ったほどの安定した風速が得られないようです。

まあまあの出力が出る風速6m/秒って実は結構凄い風なんです。
春一番で7m/秒ですからね・・たいへんです。

            


ま、堅いこと言わずに、1本どうです?


燃料電池

これは今後の新エネルギーの中では触れないわけにはいきませんね。
水の電気分解の逆の反応で、水素と酸素を反応させると電気と水が出来るという
夢のような反応で、今まで何か燃やすと必ず発生した二酸化炭素とサヨナラできる
素晴らしい仕組みです。

石油を景気良く燃やし始めて100年、最初は”完全燃焼しないから、一酸化炭素
や炭化水素が排出されて人体に悪影響があるんだ”と言われ、「完全燃焼こそ究
極の技術」と信じて40年ほど頑張って完全燃焼に近づいたら、今度は”二酸化炭素は地球温暖化の原因だ”と言われて・・・

夢と希望を失った技術者が、”二酸化炭素の呪縛”から開放される唯一の希望の
星が、この燃料電池なわけです。

いいことヅクメの燃料電池ですが、問題はまだまだあります。
酸素は空気に20%含まれていますからそこから摂るとして、水素どーする?

家に水素ボンベ置くの? ちょっと怖くない? 
自動車に水素タンク積むの? だいぶ怖くない?
ガソリンスタンドが水素スタンドになるの? 近づきたくなくない?

ってなことです。

まあ、今でもガソリン背負って走ってるから大して変わらん、と言えばそーですが、
水素をそのまま運んだり積んだりするのか、ちょっと怖いからガソリンとか天然ガスとかメタノールとかにしておいて使う前に改質して水素取るか・・ってところで関係者悩んでおられます。

あとは、寒いとこで反応開始までに時間がかかるとか、化学反応で出る熱を有効に
再利用する方法とかで熟成が進んでいるものと思われます。
まあ、燃料電池の開発自体は最終段階に来ていると思いますが、水素そのもので行くかメタノールみたいなもので行くか、その辺のインフラ整備の方が時間がかかるのでしょうね。

東京ガスが開発している家庭用燃料電池が早いか、燃料電池自動車が早いか、
非常に興味が持たれるところですが、皆さん覚えておいてください。

            


これって、”燃料費”かかりますからね。

       
次回は、バイオマスやらコージェネのお話にしようかと思いますが・・・

出席者います(笑)?




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